薄肉加工とは|精密加工における加工技術
薄肉加工は高精度を維持しながらワークを薄く削る加工です。薄い肉厚部分のある部品を加工するための加工方法で、加工難易度は極めて高いです。精密な加工が求められる部品で必要になることが多い加工方法です。
これらの形状が要求される主な理由は、部品の軽量化と省スペース化です。極限まで軽く、高機能な製品を設計する際に、こういった形状が生まれます。医療機器やエレクトロニクス製品、人工衛星などの部品では多い形状です。
このような分野での軽量化は今後ますます需要が高くなる傾向にあります。部品加工会社は、より高度な加工に対応できるよう、設備とエンジニアの技術力に投資を行う必要があります。
薄肉加工が難しい理由
薄肉加工は非常に難易度の高い加工です。一般的に、この加工が必要な部品の加工費は高くなる傾向があります。時間もかかるため、納期が長期化することもあります。
これは主に精度要求と加工中の振動制御の2つの要因があります。
精度要求
薄肉加工が必要な箇所は高い寸法精度が求められます。さらに、寸法誤差は許容できないため、技術力の高いエンジニアでも慎重に加工を進める必要があります。
板厚精度が要求される場合、板金の規格材を使うのではなく切削加工を行います。その理由は板金には0.1mmほどの誤差があるためです。
振動制御
また、薄肉部分は加工中の振動の影響を受けやすいです。振動による歪みは、加工の精度を大きく損なう危険性があります。
例えば、ドリルによる穴あけ加工では、切削工具が肉の薄い方に逃げて(歪んで)、真っ直ぐ貫通するはずだった穴が曲がることがあります。旋盤加工では突っ切り後にワーク内部の応力と加工による熱で反りが発生することがあります。
フライス加工では、ワークが逃げてビビり(断続的に発生する振動)が発生し、寸法のばらつきが発生します。また、固定や加工による応力で薄肉部分が変形し、欠けやクラックを引き起こすことがあります。
まとめ
このように、高精度を実現しながら加工を完了するためには繊細な調整と管理を行う必要があります。失敗によるやり直しのリスクも考えると、見積もりは高く、納期は長くなります。また、薄肉加工を行うための設備も必要なため、対応できる加工会社が多くないのも事実です。
Point
薄肉加工は高精度を維持しながらワークを薄い形状に削る加工です。より高度な部品を加工するために必要な技術で、加工難易度は高く、対応できる加工会社も限られます。この箇所の加工費は高くなる傾向にあります。
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