振動試験とは|コンポーネントの振動試験
打ち上げ後に正常に動作させるため、宇宙機に対してはさまざまな試験が行われます。試験には熱真空試験、振動試験、音響試験、電磁適合性試験の宇宙機に対する試験のほか、材料試験としてアウトガス測定試験などがあります。
この記事ではこの中の振動試験について解説します。
振動試験とは
振動試験は使用環境を想定した試験です。打ち上げる宇宙機の品質・耐久性を評価するために行います。また、これは自動車などの輸送機の部品の試験などにも用いられています。振動による問題を未然に防ぐことができます。
一度打ち上げた宇宙機は、不具合が起きても宇宙空間で修理することは困難です。そのため、過酷な宇宙環境での使用に十数年耐えうる設計になっているかを打つ上げ前に確認することが必要です。
また、試験は宇宙機を加振台に乗せ、各方向に振動をさせて行います。打ち上げの際に使用する宇宙機の場合は、打ち上げ時のロケットの振動を模擬した環境で試験します。さらに、振動試験の種類は主に4つあります。
正弦波振動試験
正弦波を用いた試験です。主に5~100[Hz]の範囲で双方向(Up/Down)に掃引加振します。なお、コンポーネントの場合は剛性が120[Hz]以上で設計されていることが多いので、剛性や構造数学モデルの確認はランダム振動試験にて行います。
ランダム振動試験
複数の正弦波周波数を合成してランダムな振動を与えます。打ち上げ時の音響環境により励起されるランダム振動に対する耐性を確認するために行います。剛性要求やワークマンシップを確認します。この試験は20~2000[Hz]の範囲内で、システムが規定したレベルで加振します。
サインバースト試験
静加重試験の代替となる試験です。宇宙機の1次固有振動数より十分低い周波数の加速度負荷を行います。しかし、宇宙機の質量が大きく固有振動数が低い場合は、加振機の制約で実施が難しい場合があります。そのため、一般的にはサブシステムレベルの宇宙機の評価に適用されます。
モーダルサーベイ試験
構造数学モデルの精度を確認するために、宇宙機の固有振動数・減衰比・モード形状を取得する試験です。加振による宇宙機の各箇所の応答から、これらの値を求めます。
Point
振動試験は使用する予定の宇宙機や輸送機を、事前に想定される条件で評価する試験方法です。振動による問題を事前に明らかにして対策を講じることで、事故の発生を防ぎます。
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