アルミニウム
名称
アルミニウム
特徴
アルミニウムには、「軽くて強い」「錆びにくい」「電気をよく通す」「低温に強い」などのさまざまな特徴があります。重量あたりの強度は鉄よりも優れ、同じ強度の部品を作るのであれば、アルミニウムの方が軽く作ることができます。ロケットや航空機などは、少しでも効率よく輸送するためにボディを軽くすることが重要です。
アルミニウムのメリットをこれらの分野でより安全に活かすために、他の金属を添加した金属がアルミニウム合金です。
A5052やA7075など、Aとそれに続く4桁の数字の番手があり、それらはアルミニウムの特徴と添加金属の種類と量で得た特徴を持ちます。この番手には多くの種類があり、用途に合わせたアルミニウム合金を選択することができます。
調質・質別記号の解説記事:「アルミニウム合金の調質・質別記号とは」
長所
軽い
アルミニウムの比重は2.7と、金属素材の中でも同体積での重さが軽い金属です。そのため摺動・回転部品の軽量化による作動効率の向上、電気消費量の低減などの効果を期待できます。
比強度が高い
単位重量あたりの強度が高く、同じ重さでの強度が鉄よりも優れています。
磁気を帯びない
アルミニウムは非磁性体で、磁場に影響されません。
加工性が高い
アルミ合金は快削素材が多く、加工精度の出しやすい素材です。難形状や精密部品の加工に適しています。
低温環境で使用可能
アルミニウムは液体窒素(-196℃)や液体酸素(-183℃)の極低温下でも脆性破壊が起こりにくく、靭性を維持します。温度低下による強度の低下がないため、宇宙機器やLNGタンクの素材としても使用されます。
熱伝導率が高い
アルミニウムの熱伝導率は鉄の約3倍で、熱を伝えやすい素材です。熱しやすく冷めやすいため、エンジン部品やヒートシンクなどに使用されます。
耐食性が高い
アルミニウムは空気に触れると、緻密で安定した酸化皮膜を生成し、この皮膜が腐食から保護します。アルマイト処理により人工的な酸化皮膜を形成することで、さらに耐食性を高めることもできます。
注意点
アルミニウムの融点は約660℃と、金属素材の中ではかなり低い素材です。そのため高い耐熱性が必要な部品などには適していません。
鉄鋼などと比べると柔らかいため、強い衝撃による変形が起こりやすいことにも注意が必要です。
種類
1000系
1000番台は純度が99%以上の純アルミニウムです。
主な番手はA1050、A1070、A1100で、1050は純度99.5%以上、1070じゃ純度99.7%以上を意味しています。純度が高くなるほど耐食性は高くなりますが、強度は低くなっていきます。
2000系合金
強度向上のために銅(Cu)が多く添加されており、鋼材に匹敵する強度を持ちます。同時に銅の酸化しやすい性質により耐食性が低下しています。そのため、使用に際してはアルマイト処理などによる十分な防食処理が必要です。代表的な素材はA2017(ジュラルミン)、A2024(超ジュラルミン)です。
3000系合金
マンガン(Mn)を加えて耐食性を維持しながら強度を高めた合金です。切削加工に使われることは少なく、主に成形加工に使われます。
4000系合金
シリコン(Si)を添加し、熱による膨張を抑え耐摩耗性を向上させた合金です。
5000系合金
マグネシウム(Mg)を添加し、強度と耐食性を向上させています。マグネシウムの添加量が増えると強度も高くなります。A5052は強度と他の条件のバランスに優れ、広く使用されています。
6000系合金
シリコン(Si)とマグネシウム(Mg)を添加し、強度と耐食性を向上させた合金です。押出加工性に優れています。
7000系合金
亜鉛(Zn)とマグネシウム(Mg)を添加して熱処理を行った、アルミニウム合金の中で最も強度が高い合金です。A7075は超々ジュラルミンとも呼ばれ、航空機の部品や車両に使用されています。
アルミ合金の加工
当社は切削加工によるプラスチック・金属の高精度部品加工を得意とするパーツメーカーです。
年間約3,500品目25,000個のアルミ部品を加工しています。支給材料の加工、当社で材料を調達からの加工のどちらにも対応可能です。
最小ロットは1図面・1個です。特注部品の加工、試作に対応いたします。量産体制も整えておりますのでご相談ください。
ご依頼は構想のみの段階からも承ります。打ち合わせの上、加工に必要な3Dデータ、検査のための図面を作成させて頂きます。
ご相談・お見積りは無料です。お気軽にご連絡ください。