後処理加工
加工内容・特徴
後処理加工は加工後に行う各種処理工程で、表面処理などにより部品に必要な性質を付与します。
後処理加工とは
後処理加工は、部品の精度向上や、性質の付与のために行う加工や処理の総称です。耐衝撃性や耐食性、耐熱性など、目的に応じて性能を向上させることができます。主にアロジン処理やめっきなどの表面処理、焼入れ焼き戻しなどの熱処理に分類されます。
素材によって適切な処理が異なる場合や、処理によって寸法の変化や歪みが生じる場合もあり、処理の特性を熟知した選定が必要です。
表面処理
表面処理は素材の表面の性質を変化させるための処理です。部品の外観を整える目的や、耐久性を高める目的で用いられます。
この際に重要なのが材質と各種処理の特性を正しく理解し、最適な処理を選定することです。
例えば、アルミニウム合金の防食や塗装下地処理として、化成処理(MIL-C-5541)や陽極酸化処理(MIL-A-8625)を施すことがあります。化成皮膜処理のアロジン1200は、無色の物より耐食性の面で優れていますが、母材となるアルミニウム合金のCu含有量が多い場合、無色のアロジン1500で処理を行った方がスマットが発生しにくく、塗装の密着性という面で最善となり、電気の接触抵抗値が低いというメリットがあります。
表面処理の種類
アルマイト処理
アルミニウムを陽極で電解処理をして、表面に酸化皮膜を形成する表面処理です。主に耐食性、耐摩耗性の向上を目的として行います。カラーリングなどの装飾目的にも使われ、赤や緑、黒などのさまざまな着色が可能です。
基本的な膜厚は6~10μで、カラーアルマイトの膜厚は15~30μです。耐摩耗性の向上と絶縁性を付与できる硬質アルマイトは膜厚が50μm程度です。
MIL規格(MIL-A-8625 Type2)に適応可能です。
アロジン処理
アルミニウムの耐食性を向上させる処理の1つで、表面にクロメート皮膜を形成します。膜厚が1μm以下と非常に薄く、接合下地にも適しています。不動態皮膜を形成しない処理であるため導電性を持った状態で仕上がります。MIL規格に対応したアロジン処理もあります。
MIL規格(MIL-C-5541 Class1A , MIL-C-5541 Class3)に適応可能です。
めっき
金属や非金属の表面に金属の膜を形成します。耐食性の向上や電気的特性、機械的特性などの機能を付与することができます。
熱処理
炭素を含む金属素材に加熱と冷却の処理をして、素材内部の組織を変化させます。強度や耐衝撃性、耐食性などの性質を向上させる処理です。焼入れ、焼戻し、焼きなまし、焼ならしなどの処理方法があり、目的によって使い分けられます。
後処理加工のご依頼
当社は切削加工によるプラスチック・金属の高精度部品加工を得意とするパーツメーカーです。ロケット部品や衛星部品などの宇宙部品の加工を中心に取り扱っています。部品製作・試作を1図面・1個からの製作を承ります。
ご依頼は構想のみの段階からも承ります。打ち合わせの上、加工に必要な3Dデータ、検査のための図面を作成させて頂きます。
素材選定など、設計段階からのご相談もお任せください。社内の加工現場のエンジニアと共にお客様の課題を解決するお手伝いをさせて頂きます。
ご相談・お見積りは無料です。お気軽にご連絡ください。